「親に本音を言えない」恋愛や結婚にも影響する?幼少期の【心の傷】の癒し方

「大人になっても親との関係が苦しい・・」

  • 親に対して自分の意見や本音が言えない
  • 気を使って親に合わせてしまう
  • 親の価値観に振り回されて生きている

この記事にたどり着いたあなたは、そんな自分を心のどこかで責めているかもしれません。

親子関係は人生におけるすべての人間関係の土台とも言われます。

特にパートナーシップ(恋愛や夫婦関係)において、強くその影響が現れてきます。

好きになった人や一緒にいることが長くなる人には、人生でいちばん最初の絆づくりとなる親子関係での未消化の感情が言動として出てきやすいからです。

他人の感情に敏感で傷つきやすいエンパスやHSPの方は特に、親や周りの人の気持ちを損ねることや、自分自身が傷つくことを恐れて、小さい頃から自分の本音を隠して生きる習性を身につけてしまいます。

そういう方は、親やパートナーに限らず人間関係においては相手に合わせるように同調しやすく、相手に本音を言えず同調することで相手と’目には見えないコード’で繋がりやすくなります。

見えないコードで繋がった相手からは、物理的な距離に関係なくいつも影響を受けることになるため、繋がっているものが多ければ多いほど不自由で生きづらい状態となります。

親と離れて暮らしているのに、いつも心のどこかで変に気になったり監視されたり干渉されているように感じるという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

親に本音を言えない理由は、あなたの心の深いところにある【幼少期の心の傷】が原因です。

この記事では、あなたが親に本音を言えない本当の理由’とその克服方法について模索します。

幼少期の心の傷は誰にでもある

【幼少期の心の傷】のことを’インナーチャイルド(心のなかにいる子どもの自分)’と呼びます。

インナーチャイルドは、乳幼児期から成人するまでの間に「傷ついた体験」「満たされなかった欲求」によって心の深いところに形成されます。

虐待やいじめや暴力など、大きな出来事だけがインナーチャイルドになるわけではありません。

  • 兄弟と比べられた
  • 厳しく育てられて我慢することが多かった
  • 自分の気持ちを親に聞いてもらえることがなかった
  • 親の転勤で頻繁に環境の変化を強いられた
  • スキンシップなど求める形で親の愛情を得られなかった

など客観的には些細なことと思えるようなことでも、インナーチャイルドは形成されます。

心の中の’こどもの自分’

インナーチャイルドとは、幼少時に頻繁に感じていた不安や緊張、恐れや悲しみなどの感情エネルギーの滞りや固着が、身体に保持されているものです。

このような深い領域の身体の滞りは、生命エネルギーの循環を妨げるもので、大人になってからの情緒不安や体の不調としても現れてきます。

インナーチャイルドの要素のもう一つは、感情エネルギーの固着にセットとなる形で潜在意識に保存される「深い思い込み(固定観念)」です。

この2つの要素「固着した感情エネルギー+その体験によって作られる深い思い込み」によって、インナーチャイルドは潜在意識に固定され、人生の長い時間に渡り影響を及ぼし続けます。

インナーチャイルドの構造を捉えやすいように、少しわかりやすい例をあげてみましょう。

ある親子をイメージしてみてください。親を困らせるような小さな子どもの自由な言動に親がつい感情的になって、強い口調で叱りつけたとします。

親の大きな声と厳しい表情、急に投げつけられた感情のエネルギーに、子供の心の中では、恐れ、悲しみ、不安が急速に膨らみ、それを放出するために声をあげて泣き始めます。

その時に、もし泣きたいだけ泣くことが許されたり、親がすぐに子供のショックに気づき子どもの気持ちを落ち着かせるための言動に出て、子どもが心理的に「安心の場所」に戻れたら、子どもの感情の波はいずれおさまり、時間とともに穏やかな状態に戻っていくでしょう。

子供はクリアでそもそも循環が良いため、感情の波が一時的に高くなっても放っておくとまた元の穏やかな状態に戻りやすいのです。今泣いたカラスがもう笑ったと表現されるように、小さな子ども感情の切り替わりが早いのはこういった理由からです)

ここでもし、親が泣き出した子供に余計にかっとなり手をあげてしまったり、さらに強く叱りつけたり、泣くこと自体を押さえつけるような言動に出てしまったら、子供の中の膨らんだ「感情エネルギー」は行き場を失い、その場で強い圧力がかかるため圧縮され、感情体の中に流れることを止められたエネルギーの固着として保存されます。

また、この体験によって子どもが学習した情報が「思い込み(固定観念)」として付与されて、圧縮された感情エネルギーと一緒に保存されます。

インナーチャイルドによってできる「思い込み」は、どんな人でも数多く持っていると考えられ内容も様々ですが、代表的なものとしてはこんなものがあるでしょう。

  • 自分はありのままでは愛されない
  • 自分の本当の感情を表現してはいけない
  • 自分が弱音を吐かない良い子だったら愛される
  • 親の言うことを聞いていれば、守られて安全
  • 親を怒らせたら生きていけないかも
  • 嫌なことでも頑張ってやり続ければ幸せになれる
  • 自分が我慢さえすれば、親(またはみんな)は幸せでいられる

’こどもの自分’が苦しい関係をつくる

自分がどんな状態でも愛されていると感じられ、自分の感情や意見を自由に表現することができる環境で育ったインナーチャイルドの少ない子どもは、必要以上に他人の顔色をうかがうこともなく、自由に自分のやりたいことを実現できます。

逆にありのままでは愛されない、というインナーチャイルドを多くもっていると、自尊心も低くなり、これ以上自分が傷つくことがないように、また自分の心の痛みを感じなくて済むようにと、自分を守ることにエネルギーを費やす必要が出てきます。

そのため、自分の意見や考えていることを表現することより、相手の気分を損ねないよう相手に合わせて動くことの方が重要となってしまうのです。

また、インナーチャイルドによって「親(相手)と繋がれない不安」「親(相手)に拒絶される不安」も大きいため、よりエネルギーレベルで相手と同調*することで「相手と繋がっている安心感」を得ようとするのです。

そして同調が常態化すると、特定の人との間で「エネルギーのコード」が繋がったような状態になっていきます。

単なる同調はその場限りのものなので、物理的に相手と離れることで同調は自然と切れるのですが、同調が常態化した「エネルギーのコード」で繋がれてしまうと、相手と会ってなくても、つまり相手が目の前にいなくても、無意識に相手軸で(相手の期待や相手の価値観に合わせて)自分が行動してしまうようなことが起きてきます。

互いに離れたところに住む親子関係で「目に見えないコード」が繋がっているような状態は、珍しいことではないと思います。

’こどもの自分’を克服する方法

人の気持ちに合わせてつい動いてしまってしんどくなる「同調体質」の改善の鍵は、インナーチャイルドを癒し解放することにあります。

インナーチャイルドが癒えることで、幼少時の体験で積み上げられた心の深い部分にある不安が軽減されて、他者との同調をすることなく、自分軸で自由にラクに生きることが可能となっていきます。

インナーチャイルドを根本的に癒すためには、基本的に以下の2つのことが必要となります。

  1. 身体に保持されているエネルギー的な滞りや固着を解放する
  2. セットとなって保存されている不要な思い込み(固定観念)を書き換える

このうち、1のインナーチャイルドの固着化したエネルギーを癒す方法としては、自分でできるインナーチャイルドワークなどを使って、一つ一つの出来事を思い出しながらその時の感情をもう一度感じ直すことで、固着したエネルギーをある程度解放していくことが可能です。

ただ、ショックが大きかった体験ほど心の深いところで厚い蓋をされていることが多く、自力で思い出すことが難しいものです。

その場合は、エネルギーレベルで固着を取り除くヒーリングワークなどがおすすめです。

そして2つ目の、深い思い込み(固定観念)を書き換える方法ですが、これは1でエネルギーを解放することとセットで行うことをオススメします。

やり方としては、自分の中の固定観念を覆す(くつがえす)ような価値観や考え方をなるだけたくさん書き出すなどして、思い込みが固定された状態を緩めます

そして、その固定観念の逆を証明できる小さな体験を、できることから意識的に積んでいくようにしてみてください。

具体的な例をあげると

「自分の本音を表現したり自由に振る舞うと、周りの人が不愉快になる」というような固定観念を、インナーチャイルドとして持っていたとしましょう。

まずは、その思い込みが真実かどうかを大人になったあなたの頭で冷静に検証してみます。

例えば、実際に自分が本音を表現したり自由に振る舞っても、周りの人が不愉快にならなかった過去の体験がないかを思い出してみたり、誰かが自由に振舞っても周りの人が不愉快にならない事例や理由を書き出していきます。

思い込みが深くて強いほど、この作業は難しく感じるかもしれません。少なくとも5個はあげてみようなど数を決めて、最初は時間がかかっても頑張って捻出してみてください)

うまくアウトプットができて、もしかしたらこの思い込みは真実ではないかも、というように固定観念が緩んだら理想的です。

次の段階としては、実際に「本音を表現して自由に振舞ってみる」ということを日常の中で試してみてください。

何度か「本音を表現して自由に振舞っても、周りの人を不愉快にしなかった」体験が積み重なっていくことで、固定観念はさらに外れやすくなっていきます。

このように、一つ一つのインナーチャイルドのエネルギー的な解放と固定観念の書き換えが完了していくことで、無意識に本音を隠して人に合わせてしまおうとする同調体質は少しずつ改善に向かうと考えられます。

まとめ:「良い子」を卒業して自由になる

インナーチャイルド、つまり’こどもの自分’が心にいると、相手との関係が近くなればなるほど「自分を認めてほしい」「気持ちを絶えず向けてほしい」という承認欲求が強くなります。

一方で「自分は愛されるに値しないのではないか」という根深い自己否定があるので、相手に嫌われないようにとか、相手の期待に応えなければという苦しい思いで行動しがちです。

「良い子でないと愛されない、一人ぼっちになってしまう」というこどものときの不安や怖れが、自分の本音を隠して相手に合わせるという形で大人になったあなたの行動を支配してしまうんですね。

心の中にいる’こどもの自分は、ヒーリングワークやカウンセリングで当時抑圧した感情を解放することと思い込みの書き換えによって克服することができます。

本音を口にせず同調して相手に合わせるという生き方から、自分の本音を表現してみることが少しずつできるようになると、相手との関係が表面的なものではなく、違いを認めた上でお互いの価値観を尊重できる’穏やかな関係性’に変わっていきます。

逆に本音を口にしないで相手に同調する関係が続くと、気づくと【共依存】の関係になってしまっているということもあります。苦しい親子関係でお悩みの方は、こちらの記事も参考にしてください。

「親子の共依存」は断ち切れる?過干渉の親と’恋愛’の不思議な関係

8 COMMENTS

花田

ここ半年で自覚し始めてとても悩んでいましたが、この記事を見てそういうことなんだ!と感激致しました。本当に本当にありがとう、この記事に出会えて良かったです。自分の力と貴方のアドバイスを元に頑張って変わっていこうと思います。本当にありがとう。心から感謝します。

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MUERA

花田さん、メッセージをありがとうございます。「気づく」ことは、変化への大きな一歩です。ご自身の本音をいつもリアルタイムにキャッチできるよう意識を向けられるとそれだけでも現実が変わることもあります。「自分のことをいつも一番大切にする」を忘れないでくださいね。MUERA

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クローバー

この記事を見て私そのものだなと感じました。特に「自分が弱音を吐かないいい子なら愛される」「自分さえ我慢すれば親は幸せで居られる」です。
未だに両親から離れられず、自分の為に生きてきたという感覚はありません。今からでも生き直しができるのでしょうか?

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MUERA

クローバーさん、メッセージをありがとうございます。 自分さえ我慢すれば・・という選択は和を尊ぶ日本人には割と多いのかもしれませんね。”自分のために生きる感覚”は、「自分の本音を言葉にしてみる」ということがスタートになります。最初は直接親に対して、というのも難しいかもしれないので、まずは「本音をノートに書き出してみる」ということをやってみるのはどうでしょうか。誰に見せる必要もないので、汚い言葉でもなんでも(^^)率直に出してみられると、自分でも新鮮な気付きがあるかもしれません。

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サッチモ

この記事を見て救われたような気がします。
小さい頃、親に怒られて泣いて「泣けば許されると思うな」とさらに怒られて…今では、父にも母にも壁を感じています。正直苦しいですし、「大好きだったはずの人」は私の中でどんな壁になっているのか、それを改めて考えようと思いました。
長く付き合っている摂食障害を改善するためにも親との関係を見直す時が来たと感じます。
素敵な記事をありがとうございました。

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MUERA

サッチモさん、メッセージをありがとうございます。
私も母親との関係にはずいぶん長いこと悩んでいました。
親子関係の取り組みには時間がかかりますが、乗り越えるとほかの人間関係も大きく変化します。
自分の本当の心の声を聞くところから、ぜひやってみられてください。

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サン

中学3年の頃親に夢を否定されてから、何事も継続性がなくなり、周りからの評価と親の言葉に敏感になりました。大人になった今でもです。
でも親はあの時おかしなこと考え始めたから失敗したとか今でも言います。
中途半端に夢を諦められず、後悔ばかりしながら生きてきました。でもこれは親にも問題あったと分かり、自分のためにやり直したいと思いました。
少しずつ頑張りたいです。

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MUERA

サンさま、コメントをありがとうございます。

そうですね、親に夢を否定されたことのショックはおそらくとても大きかったのではないかと思います。
多くのかたが同様の体験をされって
自分が信じていることに自信がなくなって、その後は周囲の価値観にあわせた人生を送ることになっていってしまいます。

親の価値観ではない、ご自身の本音やほんとうに好きなことを軸に
ぜひご自身のためにもう一度人生をはじめられてください。

軌道修正はきづいたときから始められます。
ここから良い人生に歩まれることを、願っています。

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