- 他人が感じていることが直感的にわかってしまう
- 人の感情が勝手に流れ込んでくるように感じる
- 人混みや多くの人の集まる場所では異様に疲れる
- テレビや映画の暴力的なシーンが苦手
人の感情に反応しすぎて生きづらさを感じるエンパス/HSPの方は、日本人には5人に1人くらいの割合でいると言われています。
人の感情はそもそも「水」のような性質を持ったエネルギーなので、一つの場所に固定されにくく、常に揺らいでいて人と人との間を行き来しやすいものです。
人の感情に敏感すぎるエンパスやHSPと言われる方は、自分でも気づかないうちに周囲の感情のエネルギーをキャッチしてしまい、他の人の感情をまるで自分のもののように感じてしまうことさえあります。
感情には、楽しさ、嬉しさ、喜びなどポジティブなもの、悲しみ、不安、悔しさなどネガティブなもの両方がありますが(それぞれ色が違うエネルギーだとイメージしてください)、エンパス/HSPは周囲の人のエネルギーによって、いとも簡単に自分の感情が影響されてしまうのです。
エンパスさんが人の感情をもらってしまう仕組みについては、こちらの記事も参考にしてください。
ちなみに、エンパスとHSPの違いについてですが・・
かなりざっくりとした印象ですが、ほぼ同じ特徴を持った「外からの刺激に敏感で共感力が高い人」のことを、心理学的な切り口でHSP、どちらかというとスピリチュアルな切り口ではエンパスと呼んでいることが多いようです。
ただ厳密には、HSPの中には「人の気持ちに関してはそれほど気にならない」という人が一定数いて、HSPの方が必ずしもエンパスというワケではありません。
この記事では、あくまでも「共感力の高いHSP」にフォーカスして書いています。
エンパスとHSPのそれぞれの特徴と、エンパスとHSPの違いについて詳しくはこちらの記事にもまとめています。
この記事の目次
人の感情に過敏な人を図に表すと・・
超共感力と言われるエンパスやHSPの状態をわかりやすくイメージ図に表してみると、こんな感じです。
割合として、日本人には5人に1人はいるということなので5つの色玉で「人」を表してみました。
感情に敏感な人(紫)と他の人との違いは、自分の境界線が薄くて曖昧という点です。
目に見えないエネルギー身体の中でも感情の座と言われる「感情体」の境界線は、そもそも曖昧なものですが、エンパスやHSPの方はさらに脆くぼんやりとしています。
それぞれの人の周辺に滲み出ているような霧吹きのような点が、それぞれの人の「感情」だとイメージしてください。
先に述べたように、感情は水のような性質を持っているので、感情は普通の人でも「伝搬され混ざりやすい」ものです。
多くの人が悲しんでいるような場にいて、つい「もらい泣き」してしまうような体験は、エンパス/HSPでなくてもあると思います。
エンパス/HSPの場合は、境界線が他の人より薄いがために、日頃から人の感情を無意識に「拾って」しまっています。
イメージ図で表現しているように、例えば青玉さんが大きな怒りのエネルギーを放出しているとしましょう。
(怒りの矛先は、ここにいる人たちとは全く関係ないところにあるとします。)
境界線が比較的はっきりしている他の色玉さんは、青玉さんの強い感情に気づいていても、ある程度の客観性を保ったまま「青玉さん、怒っているなぁ」と気づく程度です。
一方、境界線の曖昧なエンパス/HSPさん(紫)には、青玉さんの怒りのエネルギーが勝手に流入してきてしまいます。
その結果、青玉さんが怒っている原因がたとえ自分とは関係ないものだとしても、「自分に向けられているかのごとく」苦しくなってしまうのです。
人の感情に過敏なエンパス/HSPが自分を守る方法
エンパス/HSPのように人の感情に過敏な人が、少しでも自分の領域を守れるようになるための方法にはどんなものがあるか、見ていきましょう。
1、自分の境界線を意識する
エンパス/HSPに関する色々なサイトでも言われていますが、これはやっぱり基本です。
特に人混みに出るときや、「イヤな感じのする人」と一緒にいるときなどは、イメージで自分の周りに境界線をしっかり作リましょう。
見えないシールドで自分の領域を閉じる感じでも良いでしょう。
たかがイメージと思うかもしれませんが、やらないよりずっとマシです。(私自身の経験からも・・^^;)
そしてやればやるほど上手になるので、半信半疑でいいのでやり続けてみてください。
自分が白い光の繭に包まれているようにイメージする、もしくは自分の領域をぎゅっと縮めるイメージでも良いかもしれません。
(境界線が曖昧なために領域がフワーッと網のように広がりやすく、無意識に色々なものを引っ掛けてきてしまうからです・・)
色々な人の感情のエネルギーがジャングルのようになっている都会の満員電車や雑踏では、特に意識し続けましょう。
エンパス/HSPさんの人混み対策については、こちらの記事もぜひ参考に。
2、人と自分を切り分けて、「自分」をしっかり保つ
境界線が曖昧なために、自分が意識を向けた途端に対象の人(人でなくても)とエネルギーが「同調」してしまうエンパス/HSPは、「自分」というものをしっかり保つことが大きな課題です。
イヤな感情を感じているときに「あ、自分のじゃない」と気づいたら、意識の上でまず相手と自分を切り離します。
そして自分の呼吸や体感覚に集中してみてください。これによって、「自分」の中心に戻ってきやすくなります。
他の記事にも書いていますが、自分の本音を隠して相手についゆずる癖をやめる、自分が本当に感じていることを捉えて、ちゃんと言葉で表現するなど、自分を一番大事にすることを日々小さなことから心がけることが大切です。
3、深い心の傷を癒す
ひといちばい傷つきやすいエンパス/HSCは、本人が覚えていないような胎児期や幼少期からの心の傷を、多く抱えまま生きている場合が少なくありません。
インナーチャイルドと言われる幼少期の心の傷は特に、起きた出来事に対する「本人の主観」が大きく関係します。
つまり、周りにいた他の子(もしくは兄弟)にとってすぐに忘れてしまえるような出来事が、エンパス/HSPにとっては「ひどく心を傷つけられる」ようなことだったりするのです。
子供の頃に感じていた不安や寂しさ(自分のものだけでなく、大概は親の分まで)またはトラウマになるような心の傷が、傷ついている人との「同調因子」となって存在し続けて、大人になってからも人との不要な同調を起こしやすくしています。
自分の中の癒えていない傷が同じような傷を持った人と強く「同調」してしまうため、人の感情に対してさらに敏感になってしまうのです。
また、心の傷の同調によって作られる関係性は発展していくと「共依存」という関係をうみやすくします。(男女でなくても親子でも同性でも起き得ます)
いわゆる傷の舐め合いというものですが、本質的には「癒やし合う」関係ではなく、お互いの傷がコードで繋がれたように、かえって傷を固定して癒せない方向に力がかかり続け、お互いの人生を不自由する関係性となっていきます。
エネルギー的に相手と完全に一体となってしまい、自分の問題と相手の問題を切り離すことが徐々に難しくなっていきます。
ひといちばい傷つきやすいエンパス/HSPだからこそ、傷ついた人との同調因子となってしまう自分の中の不安や寂しさ、空虚感などをちゃんと感じて癒すこと、丁寧に心の傷に向き合うことが、健全な人間関係をつくるためには必要不可欠です。
深い心の傷を癒す専門的なエネルギーワークもありますが、すぐに専門的なケアを受けられない人のために、自分でできる心の傷に向き合う方法をこちらの記事にまとめていますので、参考にしてください。
4、自分の人生以外は責任を取ろうとしない
境界線の薄いエンパス/HSPは、苦しんでいる人や傷ついている人を見ると気になって、自然に助けたいと感じます。
(上のイメージ図のような構造のために、他人の苦しさを自分のことのように感じ苦しくなってしまうからです)
もちろん悪いことではないのですが、これが「ネガティブな感情」を他人の分まで引き受けて、自分の中に溜めていくきっかけになります。
エンパス/HSPは、自分がネガティブを引き受けることで相手がラクになるように感じていたりするのですが、この形で相手がラクになるのは表面的、一時的なものにすぎません。
問題そのものの根っこは、痛みを感じている本人の中にしかないので、そこを本質的に癒したり変化させることができなければ、エンパス/HSPが相手の苦しみの一部を背負って感じてあげたとしても、しょせんキリがないのです。
ここで自分が犠牲になって(相手のネガティブを引き受けて)相手を助けようというのは、まさに「共依存」という苦しい関係の始まりとなり得ます。
誰かを幸せにしたいなら、一番に優先するべきは自分をまず本当に幸せにすること。
相手がパートナーでも親でも我が子でも、自分の人生に責任を取らないで、他の誰かの人生に責任をとることはできません。
まずは「自分の人生に100%責任をとること」。
この鉄則を忘れないようにしましょう。
5、心地よいと感じる環境に身を置く
エンパス/HSPの方にとって、自分が心地よいと感じる環境に身を置くことはとても大事です。
- 疲れるとわかっている場所に「付き合い」で出向かない。
- なんかイヤだな、と感じる場所には初めから近づかない。
- 会うたびにエネルギーを吸われたり、重たい感情になってしまう人には(たとえ親でも)極力会わない。
- 心地よさを感じる場所、自然を感じられる場所やお気に入りのカフェ、ポジティブな気持ちになれる場所でリフレッシュすることを日頃から心がける。
- 疲れたり重たくなったときには無理をせず、1人になってしっかりリセットする。
こんなことを日々心がけてみましょう。
6、ネット上の「人の感情の影響」にも気をつける
SNSやZOOMなどのネット環境からの「人の感情の影響」は、実は結構あるものです。
ネット回線上にはかなり雑多な人の感情のエネルギーが渦巻いているため、使い方によっては、現実的に大きなイベント会場に身をおく以上のリスクがある場合もあります。
SNSやネット会議システムを利用していて、なぜか「体調や気分が悪くなる」体験をしているエンパス/HSPは少なくないと思います。
好むと好まざるとに関わらず、ネット上のおつきあいは今の時代は必要とされることも多いし実際に便利なものですが、「嫌だな」「苦手だな」と感じるのであれば、無理をせず最低限の利用に止めることも大事です。
人の感情は、まさに時空を超えて影響を与えることができる(良くも悪くも)ということを覚えておきましょう。
まとめ
イメージ図で表したエンパス/HSPの状態は、本来は良いも悪いもない単なる個性です。
ただその特徴が目に見えないものなので、自分でもなぜしんどくなるのかがわかりにくいし、人からしたら余計に理解できません。
まずは、自分の状態を自分でちゃんと理解しておきましょう。
本文でも触れましたが、エンパス/HSPの方はその性質ゆえに人との「共依存」の関係に無自覚にはまってしまっているケースが、決して少なくありません。
大事な人なのに、この関係性なんだか苦しいなと感じるときには、「共依存」を疑ってみてください。
共依存については、こちらの記事もぜひ参考に。
エンパス/HSPの方が自分の持って生まれた個性を生かして、縛られるものなく自由に生きるための知恵を、引き続きお伝えしていきます。