「突然、会社(学校)に行けなくなる」心の不調が体に出るその仕組みと対処法

「病は気から」と言いますが、心の不調やストレスが体に現れてくるメカニズムについて、知っていますか?

年々増えていると言われる、大人の出社拒否や子どもの不登校などはわかりやすい例ですね。

会社や学校に行く気持ちはあるのに、ある朝突然体が動かなくなってしまう、(具体的には、腹痛、頭痛、吐き気、だるさ、体の痛みなどによって)このような状態は、心のストレスの蓄積の結果だということが、最近では理解されるようになってきました。

少し昔の時代なら、「病気になるなんて、気合が足りない。がんばれ!」と励ましたりすることが、場合によっては機能することもあったのかもしれませんが・・^^;

今は本人に「頑張り」を促すことは、完全に逆効果となってしまいます。

本人としては、頑張りに頑張った結果として、とうとう体が動かない状態にまでなってしまっているわけですから、それ以上「がんばれ」というのは、より深刻な問題(多くは鬱や精神疾患、さらには自殺に追い込まれるなど)を引き起こしかねません。

励ますつもりが、逆に本人(または自分)を追い込んでしまうという悲劇を避けるためにも、そもそも心のストレスが体の不調として現れるメカニズムがどんなものなのかを理解し、自分や家族がそうなってしまった時の対処法について考えてみましょう。

「体」は「触れることのできる心」

病は気から、と近いもので、心と体はひとつ、というような表現もありますが、私が以前お世話になった整体の師匠が言った言葉でとても印象的だったのが、「体は触れることのできる心だよ」という一言。

その方は、仕事を通して数万人という多くの方の体を見てきて、体はその方の心の状態をそのまま現している、ということを常に感じていたようです。

体の不調を訴えている本人が全く気づいていないような、考え方の癖や心の本音を、体の状態を見たり体を触ることで感じ取ることができるので、クライアントさんの「こころ」を触っていると思って体を診てください、と教えられました。

本人の「あたま」でも気づいていないことを「からだ」はそのまま表現しているということなんですね。

マッサージやボディワークなど、人間の体に直接触れることを職業にされている方であれば、きっと共感できるのではないかと思います。

確かに考えてみると、体はめっちゃ元気なのに気分が落ち込んでるとか、逆に体の不調があるのに心はポジティブ全開、なんてことはあまりないですものね・・^^;

まさに心と体は一つ、とも言えるのです。

「心」は気の流れの上流「体」は下流にある

エネルギー医学的な見地からいくと、いわゆる「気」の流れは、心(エネルギー身体)から体(物理的身体)という方向で経絡を介して流れています。

川の流れでイメージすると、心の方が上流にあって、体はより下流の方にあるわけです。

別の言い方をすると、「心が原因で体が結果」という感じでしょうか。なので、体を触ると心の状態がわかる、というのはとても理にかなっています。

(もちろん、怪我をしてしまって気持ちが落ち込むなど、体のトラブルが心に影響する、という逆のケースもあるとは思いますが、通常の気の流れとしては、心→体の方向です。)

わかりやすいイメージでいうと、心がストレスなくクリアな状態(上流の水がキレイな状態)を保てていると、体は自然に健康な状態を維持できるし、心の状態が、ネガティブな感情やストレスでいっぱいの時(上流の水が汚れている時)には、下流にある体の状態は、健康を保ちにくくなる、ということになるわけです。

そもそもストレスの正体って?

ずいぶん前になりますが、どこかで見かけたTシャツに面白いメッセージが書かれていました。

ストレスとは、心がNOと言っているのに、口でYESと言うことだ

おそらく英語だったと思うので言葉は正確ではないかもしれませんが、なるほど!と印象に残りました。

生活をしていると、もちろん様々なストレスがあるとは思いますが、自分の本音を口に出せない時、もしくは本当は感じていることを自分で感じようとしない時、体は大きなストレスに晒(さら)されます。

私自身、先日良い体験をしました。

ある朝起きると、珍しく喉が痛いので鏡で確認してみると、一箇所にポリープのようなものが。風邪の始まりなど体調が悪い感じもしないので思い返してみると、前日長時間一緒に過ごした人に言いたいことをずっと言わないように我慢していたな、と。

(その相手とは、とてもお世話になっている人に頼まれて数日間預かった3歳の女の子でした^^;)

それでその日は、彼女を自分の子どもと同じように扱うことに決めて、わがままを言ったらちゃんと諭すように自分の行動を変えてみました。

・・・すると、翌日の朝には喉の痛みもポリープもなくなっていたのです(笑)

通常はこんな単純に症状が消えることはないと思いますが、「言いたいことを言わないようにする」ことが今の私の生活の中では珍しいことだったので、こんな風にわかりやすいプロセスで治癒に至ったのだと思います。

ということで、ストレスの一つの見方は、「言いたいこと、やりたいこと、本当は感じていること」を自分自身で抑圧している状態、つまり心が葛藤しているとも言えます。

不可抗力な周りの状況の変化などで大きなストレスを感じたり、自分の本音を自分で気づけないまま、人に気を使うなど他人軸で過ごしていたりすることでもストレスが蓄積していきます。

そのようなストレスが、気の流れの「上流」にあたる心の部分に様々な滞りを生み出すわけです。

つまりストレスは上流の水に溜まっていくゴミのようなもの。

そのゴミが気の流れに滞(とどこお)りを生み出してしまい、下流である「体」にそのまま反映していくということなのです。

上流を汚すストレスを溜めない方法

ということで、体を健康に保つには、体に直接良いものを取り入れること(食事)や、運動で循環をよくすることはもちろんですが、そもそも気の流れの上流にある心がスッキリ健やかであることはさらに重要な要素と言えます。

心の状態が体に現れる前に、最近ストレスが溜まっているなぁと思った時に早めに対処できる具体的な方法には、どんなものがあるでしょう?

  1. メディテーション(瞑想)
    体の汚れを毎日シャワーで流すように、瞑想することでネガティブな感情やストレスをある程度洗い流すことができます。
    理想的には30分、難しければ5分でも目を閉じて静かに呼吸に意識を集中する時間を持ってみて下さい。
  2. 本音を紙などに書き出してみる
    頭がゴチャゴチャするとき、心がもやもやするときは、自分が口に出せないでいる「頭の中の言葉」を紙に書き出してみましょう。
    誰かに見せるものではないので、汚い言葉でも大丈夫。怒りや悲しみなど、日常で表現することができない思いを「外に出す」ことで、自分の本音を知ることができるし、書き出すこと自体が「デトックス(毒出し)」になります。
  3. 質の良い睡眠を取る
    睡眠は、体を休めるだけでなく外からの刺激を断って脳を休め、潜在意識を整理するという効果も大きいものです。
    質の良い十分な睡眠が取れていると、瞑想と同じようにネガティブな感情やストレスを朝までにスッキリ洗い流すことができます。
  4. リラックスできる時間をもつ
    目的なくゆったりと過ごせる時間を意識的に持ってみましょう。簡単なことで大丈夫。
    温泉や散歩、カフェでぼんやりするなどができれば、体と心の緊張もほぐれ、自己治癒力も自然とアップします。
    忙しい時ほどこういう時間を早めに持つことを意識できれば、最終的に体の不調となって表出することを防ぐことができるでしょう。

 

まとめ

Happiness is when what you think, what you say, and what you do are inharmony. —Mahatma Gandhi

しあわせとは、あなたが考えていること、あなたが口にすること、そしてあなたの行動が調和していること。
ーマハトマ・ガンジー

大人であっても子どもであっても、体を健やかに保つために、心にストレスを溜めない生活を送るための、大きなヒントになりそうな言葉ですね。

体に不調が現れたときには、まず自分の心に尋ねましょう。

今我慢していること、無理していることはなに?

体の不調や病気の症状は、通常はありがたくないものと捉えがちですが、あなたのより本質である心の状態をわかりやすく伝えてくれるという意味では、大切なメッセンジャーなのかもしれません。

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