「ワケもなく不安になる」心の中に不安を作る4つの要因とその解消法

心の中に「不安」が生まれると、私たちの多くは落ち着かない気持ちになり、なんとか不安から逃れようと反応的な行動に出たり逆にやるべきことをやることができないまま、その場にとどまってしまいしがちです。

目の前に命の危険がまさに迫っているような場合であれば、とっさに強い不安と緊張状態に陥るのは、生命を守る本能として当然の働きでしょう。

安全で豊かな国に住んでいるはずの現代人の多くが日々苛まれる「不安」は、それとは少し異なる性質のものです。

そもそも不安を生み出す原因とはどんなものでしょう?

根本的に「不安」を解消し、穏やかな気持ちで日々を過ごす方法はあるのでしょうか?

この記事では、現代人の心に生まれ続ける「不安」の要因とその解消法についてまとめています。

不安を作リ出す4つの要因

未来への不安

不安の多くは、「もし将来こうなったら・・」という思考から生み出されます。

もちろん将来起こりうる危機を予測してのリスクヘッジが必要なことも、時にはあるでしょう。

まだ起きていないこと、予測しようがないことへの不安や心配に心が奪われ、「今やるべきこと」がおろそかになったり、「今目の前にある幸せや豊かさ」を受け取ることができないとしたら、本末転倒です。

より良い未来を作り出すのは、「不安が作り出す行動」の積み重ねではなく、「目の前の豊かさを受け取る今という瞬間」の積み重ねです。

別の言い方をすると、未来に起きるかもしれない悲劇のシミュレーションを頭の中で繰り返すことは、リスクヘッジとしては機能しにくく、むしろ願わない現実の方を引き寄せてしまう波動となってしまいます。

逆に「今ある豊かさを味わう」ことに集中できると、その積み重ねにより、豊かさを拡大していく未来へと向かうということができるのです。

過去から来る不安

「不安」に限ったことではありませんが、マイナス思考やネガティブな感情は、心に染み付いたように存在する癒されていない古い傷や感情が刺激されて引き起こされていることが少なくありません。

「あの時と同じようにまた失敗するのではないか」

「また皆の前で恥をかくのではないか」

「結局思うようにいかず、過去と同じように痛い思いをするのではないか」

癒されていない過去の感情や心の傷が多ければ多いほど、自由に振舞うことも、好奇心のままに新しいことにチャレンジすることも、自分らしく生きることも、歳を重ねるごとに「目に見えない心の制限」に縛られ、難しくなっていきます。

現在の生活での人間関係のトラブルと思われるような事象も、実際には過去の人間関係に関する痛みや歪みに紐づいて起きています。

心の中の「内なる批判者」

あなたがあなたらしくいようとする時、人生を制限したり縛ったりする「何か」から自由になろうとする時、それを止めようとする強力な心の声はないでしょうか?

「自分にはそんなの無理だ」

「自分にはそんな価値はない」

「きっとまたうまく行かない」

「楽して豊かになったり幸せになったら、悪いことが起きるに違いない」

「自分だけ自由になるのは裏切り行為だ」

この「内なる批判者」の声は、不安を急速に膨らませる燃料のように機能します。

この声の正体は、あなたの本質とは関係のないものです。

そのほとんどが幼少時にあなたの安全を守る立場にあった大人たちの言葉や、大人たち自身が信じていた観念から、知らず知らずに影響を受けて形成されるものです。

成長のプロセスにおいて「自分」が確立する以前の段階では、周りの大人の言葉や信じていたことが「あなたの判断」というフィルターで取捨選択されることなく、柔らかい心に丸ごとコピーされてしまっています。

人生を、信頼ベースで自由におおらかに生きる大人ばかりが周りにいたような恵まれた環境でなければ、周囲の大人が感じていた「不安」はそのままあなたの中に生き続け、「内なる批判者」の声として、あなたの不安を増大させてしまっているのです。

メディア・SNS

昼も夜も関係なく、どこにいようと世界中の情報が手に入る生活が当たり前になりました。

インターネットの普及に伴う目覚ましい技術の進歩が、私たちが生きる上での利便性を高めたり効率的にしてくれていることは疑いのない事実です。

一方で、玉石混合で垂れ流し状態の情報の海の中に呑み込まれたようなライフスタイルは、潜在意識に不安を絶えず刷り込まれる危険性をはらんでいます。

テレビでは遠くの地で起きた悲劇のニュース映像がエンドレスで繰り返し流され、ネット上には感情的な反応を狙った広告や、中毒性を煽るコンテンツが溢れています。

感覚から切り離されがちなSNSでのやり取りも、人との距離感を縮めているようで、血の通った人間らしい繋がりや関係性からは逆に遠ざけてしまいがち、というのも否めないでしょう。

このような現代の情報社会が、心の不安を解消する方向とは真逆の「人々の不安を高める」要素を多大に含んでいることが、心理学的な調査や研究から最近では明らかにされてきています。

不安を解消する方法

ということで、不安を解消する方法としては主に下のようなことが必要となるでしょう。

  1. 放っておくと過去や未来に奪われがちな意識を、「今、ここ」に戻すこと
  2. 「内なる批判者の声」に、うまく対処すること
  3. 絶えず流れ込んで来る「情報」をシャットアウトする時間を持つこと

また、自分の内外からの「マイナス感情」に翻弄されないために、自分の体を「良い状態」に保つことは大前提となります。

ここからは「不安」を解消する具体的な方法について、すぐに取り組みやすい簡易的なものと、根本解消に分けて触れていきます。

簡易的な解消法

  • 情報から離れて静かな時間を持つ・・・絶えず流れ込んで来る情報から、自分を切り離す意識を持ちましょう。
    見ていないテレビは消すように心がける、SNSでのやり取りも本当に必要か?本当にやりたくてやっているのか?など時々見直しつつ、潜在意識に悪影響のない範囲での利用を意識しましょう。
  • 生活習慣を見直す・・・早寝早起き、朝日を浴びる、散歩やストレッチなど軽い運動を日常に取り入れる、良質の睡眠の確保、水をたくさん飲むなど、基本的すぎて軽視しがちなことですが、こういう生活を実践している人で「心の中が不安でいっぱい」という人はあまりいないはずです。
  • 部屋を片付ける・・・効果的なのは、表面的な掃除だけでなく部屋の中の不要なものを断捨離することです。
    溜まりっぱなしのメールや壊れた家電が置きっ放しになっている状態なども、マイナス感情の思わぬ大きな要因となっています。この際、思いきって捨ててみましょう。心もスッキリ軽くなるはずです。
  • 自然浴・・・自然の中に出かけてぼーっと過ごしたり、気持ちよく体を動かせるアクティビティを楽しむ時間を持ちましょう。一回きりでなく、定期的に自然と触れ合うライフスタイルができると理想的です。
    なかなか外に出かけることができない場合は、ペットや観葉植物など部屋にいながら心を癒してくれるものとの生活もオススメです。
  • 「ありがとう」のエネルギーで自分を満たす・・・不安に苛まれてどうしても抜け出せないとき、ひたすら良い言霊のエネルギーで自分を満たしてみましょう。
    やり方はシンプルに「ありがとう」と心の中でただ唱えるだけ。
    場所を選ばず、どんな時でも使える手軽な方法です。
    心を込めて、とか感謝の対象を探そう、とか色々考えなくて大丈夫。無心でただ唱えるだけでも不安を減少させる効果があります。
  • 腹式呼吸・・・自分が不安を感じているのに気づいたら、腹式呼吸に切り替えるよう意識してみましょう。
    腹式呼吸には、副交感神経を優位にして体をリラックス状態にしてくれる効果があります。
    頭と体が緩むと「不安」はかなり軽減されます。腹式呼吸をうまく使うと、緊張を感じる場面などで腹式呼吸によって緊張を和らげる、ということも難しくなくなります。

根本的な解消法

1、心の中の「内なる批判者」に対処する

詳しくは別の記事で扱いますが、ポイントとしては「内なる批判者」の声を客観的に捉えられるよう意識することです。

批判的な声を自分の声ではなく、他人の声として聞くことで、それに対処することがしやすくなります。

内なる批判者の声を自分から切り離した上で、「本当の自分の声」で応えることができるようになると、「内なる批判者」の声による影響を受けにくくなり、心に生まれる「不安」に不用意に増大させてしまうことは減っていきます。

2、バーストラウマとインナーチャイルドを癒す

上に述べた心の中の不安の要素の1〜3までは、幼少時の心の傷が大きく影響しています。

バーストラウマとインナーチャイルドと呼ばれる「もっとも深い心の傷」を癒すことで、不安の少ない穏やかな心の状態を、自然と維持しやすくなっていきます。

バーストラウマとインナーチャイルドについて詳しくはここでは割愛しますので、興味のある方はこちらの記事を参考にしてください。

一悟術(いちごじゅつ)とは?一悟術ヒーリングのご紹介

3、瞑想

不安を解消するには、未来や過去ではなく「今」に意識をおくことが必要ということはすでに述べた通りです。

「今ここに起きている経験に注意を向け続ける意識状態」を、マインドフルネスと呼びます。

その意識状態を作る訓練としてマインドフルネス瞑想が近年注目を浴びるようになってきましたが、瞑想が不安に対する根本的な解消になりうる理由は他にもあります。

マインドフルネス瞑想に限らず、瞑想自体には、簡易的な解消方法でご紹介した「体の状態を健やかに整える」効果があるだけでなく、感情の滞りや過去の感情が固着した箇所を元の状態に戻す力をかける効果も期待できます。

生きる上での不安を生み出し続ける大きなトラウマ(心の傷)にまで作用するには、かなり徹底的に瞑想を行う必要がありますが、たとえ短い時間でも瞑想の習慣を身につければつけるほど、不安に苛まれたり翻弄されたりすることは確実に減っていきます。

瞑想に慣れない方は、まずは腹式呼吸で目を閉じて静かに座る時間を5分程度でも持ってみることから始めてみると良いでしょう。

まとめ

不安から自由になって穏やかな人生の時間を過ごすために、過去や未来にタイムトリップすることをやめて「今この瞬間に起きていること」「今手にしている豊かさ」に目を向けてみましょう。

絶えず自分の中に流れ込んでくる情報の海から出て、自分の感覚に耳を澄ませてみましょう。

今という瞬間に生きることができるようになることは、人生最大のチャレンジであり、自分の生命への最大の贈り物にもなるでしょう。

こちらの記事には、不安や絶望感が深く人生に光を失いそうな時に小さな希望をくれる言葉たちをまとめています。

「人生に希望がなくなった」今そう感じているあなたへ

 

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