こんにちは、繊細さん専門カウンセラーのMUERAです。
今日は、多くの人が抱える「先延ばし行動」について、特に繊細な感性を持つエンパスさんの視点から一緒に考えてみましょう。
この記事の目次
まず、「エンパス」という言葉をご存じない方のために、簡単に説明させていただきますね。
エンパス(Empath)とは、他人の感情や心の状態を強く感じ取る能力を持つ人のことを指します。一方、HSP(Highly Sensitive Person:高度敏感者)は、五感を通じて受け取る外部からの刺激に対して敏感な人のことを言います。
エンパスとHSPの大きな違いは、エンパスが人の気持ちなど五感以外の刺激にも特に敏感だということです。例えばエンパスの方は周りの人の感情を自分のことのように感じ取ってしまいます。
これって、すごい才能ですよね。でも、時には生きづらさや重荷にもなってしまうこともあります。
「先延ばしクセあるある」から始めましょう
「テスト前に急に部屋の掃除をしたくなる」― このセリフ、どこかで聞いたことありませんか?自分も思い当たる!という方もいらっしゃるかもしれませんね。
実は、この「なぜか掃除したくなる」気持ち、ただの気まぐれではありません。そこには、私たちの心の奥底にある「何か」が隠れてます。
無意識の先延ばし行動の原因となっている心の奥底の「何か」、それは「隠れた不安」です。
潜在的に感じている「不安」を感じないために、先延ばし行動(例えば部屋の掃除^^)に気持ちを向けると考えられるんです。
エンパスさんは、そもそも周りの空気を人一倍感じ取れる特別な才能を持っています。でも、この素敵な才能が時として「先延ばし」の原因にもなっているということも言えるんですね。
具体的には
- 感情のアンテナがとっても敏感: 自分の不安だけじゃなく、周りの人の緊張も感じ取ってしまうので、同じように不安を感じている人の分まで自分ごととして感じてしまい、心の中に不安が膨らみます。
- 完璧を求めちゃう: 周りの期待なども感じ取りやすいから、「ちゃんとやらなきゃ」「絶対失敗したくない!」って思いが強くなりがち。
- エネルギー切れになりやすい: 日々たくさんの感情を吸収しているから、情報の処理や自分をリセットするのに、常に人一倍エネルギーを消耗しています。大事なことに取り組むためのエネルギーが足りなくなってしまうことも。
- 決めるのが難しい: いろんな可能性を先回りして察知してしまう能力のせいで、「どうしよう」と圧倒されて決めることが難しくなります。
多くの方が体験する先延ばし行動については、最近も多くの研究が行われています。例えば、2021年に発表された研究では、先延ばし行動と不安や抑うつとの関連性が指摘されています。
この研究によると、先延ばし行動は単なる時間管理の問題ではなく、感情調整の困難さとも深く関わっているそうです。特に、ネガティブな感情を避けようとする傾向が強い人ほど、先延ばしをしやすいという結果が出ています。
(参考:Psychreg Journal of Psychology, “Procrastination, Anxiety and Depression: A Systematic Review”, 2021)
これは、エンパスの方々にとってとても重要な発見です。なぜなら、エンパスの方は他人の感情も含めて多くの感情を処理する必要があるからです。
次に「あ、また先延ばししてる…」と気づいたら、こんな風に自分に聞いてみてください。
「今、心の中に不安があるとしたら、それはどんなもの?」
例えばあなたが、大事なプレゼンの準備を後回しにしているとしましょう。(もちろん私も幾度となく経験しています)
- 「うまくいくかな…」
- 「みんなの反応はどうかな…」
- 「準備する時間が足りるかな…」
こういう不安が、かえって私たちを本来やるべきことから遠ざけてしまうってことですね。
でも見方を変えると、エンパスさんの繊細な感覚は、この不安に気づくのにすごく役立ちます。
こんな風に自分の心の中にあるものを感じてみてください。 「この不安って、どんな色?形はある?」 「体のどこに感じてる?」
自分の中の小さな変化に気づく力は、エンパスさんの大きな強みです。
不安があること自体は、決して悪いことじゃありません。むしろ、あなたが何かを大切にしているという証です。
大切なのは、その不安を認識して、受け入れること。そして、こんなことを覚えておくといいかもしれません。
先延ばしをしても、結果が良くなるわけじゃない。(むしろ、結果は悪くなる可能性を高めているかも)
この事実を心に留めておくと、無意識の先延ばし行動を減らせるかもしれません^^
先延ばし行動を改善する上で最も重要なのは、「自分が先延ばししている」ということに気づくことです。これは、当たり前のように思えるかもしれませんが、実は案外難しいんです。
なぜなら、私たちは自分の行動を正当化しがちだからです。「今は忙しいから」「今は疲れているから」など、理由をつけてしまいがちです。
そんな時、ちょっとだけ視点を変えてみましょう。「もしかして今、私は先延ばししているな」と認識できたら、それが大きな一歩です。
その次のステップは、その奥にある「不安」を具体的に言語化してみることです。漠然とした不安は、それが何なのかわからないだけに、より大きく感じてしまいます。でも、言葉にすることで、その不安の正体がはっきりし、対処しやすくなるんです。
例えば、「プレゼンがうまくいくか不安」という漠然とした不安を、「聴衆の反応が気になる」「資料の準備が間に合うか心配」などと具体的に言語化してみましょう。
- 不安を書き出してみる: 先延ばししそうになったら、その瞬間の不安な気持ちを紙に書いてみましょう。書くことで、頭の中が整理されて、やるべきことが明確になってきます。
- 小さな一歩から: 大きな仕事は小さく分けて、最初の5分だけでも始めてみる。これを「タスクの細分化」と言います。例えば、レポート作成なら「目次を作る」だけでも始めてみましょう。
- 自分に優しく: 「完璧じゃなきゃダメ」という思いは手放して、過去の自分の頑張りを認めてあげましょう。小さな進歩でも、それは確かな一歩です。
- 目的を思い出す: なぜその仕事をしようとしているのか、本来の目的を思い出すと、やる気が出てくることも。「なぜ」を思い出すと、「どうやって」が見えてくることがあります。
- 一人の時間を大切に: エネルギーを充電したり自分をリセットする時間を定期的に設けましょう。自然の中で過ごすのもおすすめです。瞑想や軽い散歩なども効果的かもしれません。
- 感覚を大切に: 好きな香りや音楽、心地よいと感じる環境を作ってから始めるのもエンパスにはとても大切です。環境が整うと、心も整いやすくなります。
- 意識的な気晴らし: 不安を受け入れた上で、必要なら意識的に気晴らしをすることも大切です。ただし、「15分だけ」など、時間を決めておくのがポイントです。
- 可視化する: タスクの進捗を視覚的に表現してみましょう。チェックリストを作ったり、進捗バー(今どのくらい進んでいるか、どのくらいの時間が残っているのか)を描いたりするのも効果的です。
- 仲間を作る: 同じような悩みを持つ人と話すことで、新しい視点や解決策が見つかることもあります。オンラインコミュニティなどを活用してみるのも良いかもしれません。
- 専門家のサポートを受ける: 先延ばしが本当に深刻な問題になっている場合は、カウンセラーや心理療法士などの専門家に相談するのも一つの選択肢です。
先延ばし行動は、決して怠け者の証じゃありません。特にエンパスさんにとっては、繊細な心の声の表れとも言えます。
心の底の不安に気づいて、それと向き合ってあげる小さな勇気を持つこと。そして、自分のペースで一歩ずつ前に進みましょう。そんな小さな行動の積み重ねが、大きな変化をもたらしてくれます。
あなたの繊細な心や豊かな感受性が、自分自身と世界をより深く理解する導きになりますように。
今日も、あなたらしい素敵な一日を。