恋愛や結婚につまづいてしまうというケースにおいては、人間関係の土台となる親子関係の中に、エネルギー的なねじれや歪みが存在していることが多くあります。
末長く幸せな状態が続くパートナーシップにおいて大切な要素は、互いがちゃんと「大人として別個の人間になっていること」のようです。
私たちの体は、物理的には別個の身体をそれぞれ持っていますが、見えないエネルギーレベルでは、人間同士が本当にくっついたような状態になっている「癒着」や「共依存」と呼ばれる関係性が珍しくありません。
特に超共感力と言われるエンパス*の場合は、自分の領域外のエネルギーと勝手に同調してしまうというその性質ゆえに、他者との間にこのような関係性をつくってしまう傾向が強いと言えます。
*エンパス=共感力が非常に高く、他人の感じていることをまるで自分のことのように感じてしまう能力を持つ人。日本人の5人に1人がエンパスと言われます。
エンパスの親子関係についてはこちらの記事も参考に。
癒着や共依存の状態は、ある種の一体感を感じられる(ただし、本当のワンネスとは似て非なるものです)「居心地のよさ」があるため、心の不安や寂しさを埋めるためにこのような「特定の人と一体化したような人間関係」を求め、当人同士も気づかぬうにちにその関係性に依存している、ということが起きてきます。
刹那的で表面的な「安心感」を生み出し続けるこの関係性に、多くの人は深いところでは「窮屈さや息苦しさ」、「閉塞感や不自由さ」を感じながらも、同時に離れがたい「強い愛着」も感じています。
こういった関係性は、相手の人生を長く不自由にし、それゆえに傷つけ合うことさえある不健全性を内包しているため、互いに疲弊しやすく、恋愛や結婚においては、結局はその関係性を自ら壊してしまうことが少なくありません。
「共依存」についてはこちらの記事に詳しくあります。
このような人間関係のパターンは、たいがいは自分の親との関係性から引き継いでいるため、自分の親子関係を根本的に見直すことで、改善することが可能となっていきます。
この記事では、「健全な関係性のための自己診断」を用いて、自分の親子関係から引き継いでしまっている、幸せなパートナーシップを築く上での負の影響を断つためのエッセンスについて、考えてみましょう。
健全な関係性のための自己診断
以下の質問を自分自身に問いかけて、恋愛や結婚で深い関係を築く時のパターンを、自己診断してみましょう。
- パートナーを自分の欠点を補ってくれる存在として見ていないか? もしそうだとしたら、どんな方法で補ってもらおうとしているか?
- パートナーを自分の不安や孤独感を和らげる存在として利用していないか?
- 人生において、また相手との関係性において、自分は大人として自立しているか? 幼い子どものようだったり、逆に親のように行動していることはないか?
- パートナーとのふれあいは、オープンで非防御的であるか?
- パートナーとの会話では、正直であるよう努めているか?
- 自分のあり方は一貫しているか?口にすることばと行動は一致しているか?
- パートナーが独自に持っている個人的な興味には、どんなものがあるか?
- パートナーの興味を支持しているか?自分のものと同等に尊重できているか?
- パートナーの好みや趣味が自分と別れていることを恐れていないか?
- 自分と違うパートナーの嗜好を、妨害したり軽んじたり拒否をしていないか?
- パートナーは自分とどのように違うか?違いの中でどんな部分が好きか?どんな部分が嫌いか?
- パートナーを理解し、共感できているか?人としてパートナーが経験していることを感じられているか?
- パートナーとの関係性において、お互いに自分やパートナーの尊厳を傷つけるような、性に関する固定観念は存在しないか?
出典:”Daring to Love” by Tamsen Firestone
親子関係の影響
さて、答えてみていかがだったでしょうか?
自分がパートナーに無意識に求めてしまっていたこと、相手を自分とは別個の大人として尊重できていなかった部分などが見えたりしたでしょうか?
恋愛や結婚の相手と依存(または癒着)的な関係をつくってしまう自分の悪いパターンが見えたとしても、落胆しすぎることはありません。
相手と健康的でない関係をつくってしまうのは、先に述べたように自分の親子関係が強く影響しています。
試しに、上の質問項目の「パートナー」を「私」に置き換えて、主語を「自分の親」として、もう一度項目を眺めて見てください。
例えば、「(親は)私を親の欠点を補ってくれる存在として見ていないか?・・・」という感じで見ていきます。
親が無意識に子どもであるあなたにしていたこと(またはしていなかったこと)を、あなたが自分のパートナーに対しても無意識にしてしまっているというのが、典型的なパターンでしょう。
親があなたを、自分とは別個の一人の自立した人間として扱っていなかったとしたら、あなたがパートナーに対してそれを自然に行うことは通常は難しいということです。
だからと言ってあなたにも一生できないかというと、・・きっとそうではありませんよね?
あなたと親は、本来別個の人間ですから。
自分と親の人生をちゃんと切り離すことがもしできれば、親から引き継いでしまったパターンも変えやすくなります。
たとえ親があなたを自分とは別個の「自立した大人の人間」と見ていなかったとしても、それは親自身の問題からくるものですから、あなたはあなた自身として理想のあり方を目指すことができるのです。
まとめ
さてこの記事では、「親子関係」の歪みが恋愛や結婚におけるパートナーシップに及ぼす影響について、主に「健全で発展的なパートナーシップのために、互いに自立した大人として立つ」という視点から見てきました。
もしあなた自身がすでに「親」であるなら、ぜひお子さんとの関係性で「健全性」を保てているかという視点からも、診断してみることをオススメします。
親子関係のねじれや歪みは、世代間でもほぼ確実に連鎖していきます。
親と依存(または癒着)的な関係だった場合は、自分のお子さんとも同じような関係性を作りやすいということです。
上で見てきたように、
親との関係性の負の影響を受けて自分が幸せで発展的なパートナーシップを築けない
⬇︎⬇︎⬇︎
それゆえに、今度は自分の子どもとの関係性により依存していく
という構図ができ上がり、さらにその子どもへと引き継がれていくワケです・・^-^;
あなたと子供との間に作られる依存や癒着関係が、子どもの将来のパートナーシップに負の影響を与えてしまうことのないよう、ぜひあなたの代でこの「世代間連鎖」を断ち切りましょう。
本テーマ、”「恋愛や結婚がうまくいかない」エンパスが、親の人生と自分の人生を切り離す方法”は、③へと続く予定です。
続編も、お楽しみに^-^