『愛着スタイル4分類』続かない恋愛の本当の理由を知っていますか?

  • 人を好きになるのが怖い
  • 恋愛がうまくいかない
  • 幸せな関係を自分で壊してしまう

幸せになりたいのに、好きな人と穏やかな関係を築くのが難しい。

そんな悩みを抱える人は少なくありません。

たとえばあなたは好きな人と一緒にいる時
こういった感覚を持つことはできるでしょうか?

・私はありのままで愛されている
・私は相手にとって大切な人間だ
・私は守られる価値のある人間だ
・私は相手に理解されている
・一緒にいることで安全を感じられる

生まれてはじめに出会う養育者(ほとんどの場合は母親)との人間関係が、赤ちゃんにとって安全を感じられる心地よいものであるとき、上のような感覚が赤ん坊の中に芽生え、それがその後の人生における人間関係のベースとなっていくそうです。

この特定な人(養育者)との情緒的なきずなのことを、心理学の用語で「アタッチメント(愛着)」と呼びます。

人生で最初の愛着形成のパターン(スタイル)によって、恋愛など親密な関係におけるあなたの傾向性が決まります。

この記事では、「愛着スタイル」とはどんなものか?愛着スタイルの4つのパターンを知って、恋愛やパートナーシップで繰り返される願わないパターンを変化させる可能性を探ります。

愛着(アタッチメント)とは?

愛着(アタッチメント)というのは、イギリスの精神科医ボウルビィが提唱したもので「特定の人に対する情緒的なきずな」のことです。

乳幼児は特定の養育者によって繰り返し行われる世話によって、特定の人と一対一で、気持ちの面で互いに結ばれます。例えば赤ちゃんが「お腹が空いた」「オムツが濡れて気持ち悪い」などと訴えて泣くと親や日常的に世話をしてくれる特定の大人が世話をしてくれます。

生理的欲求を訴え満たされる、その繰り返しによってその特定の人と心理的な信頼関係やきずなが生まれます。これが他者とのコニュミニケーションの第一歩となり、こうしてできた愛着関係を基盤に自立心、ひいては人間関係や社会性の発達につながります。

引用元:愛着障害とは? 「愛着障害」があると感じる大人の困難とは?

人生において誰かと親密な関係を築くときのパターンは、人生初期での愛着スタイルが大きく影響します。

自分の愛着スタイルは生まれつきのものではなく、成長過程において育まれて形成されるものなのです。

もし幼少期に「安全」や「快適」を感じられる養育者との関わりや環境がなかったとしたら、恋愛や結婚生活において安心をベースにした穏やかなパートナーシップを築くことに困難を生むかもしれません。

いつも同じようなパターンで恋愛やパートナーシップが行き詰まるとしたら、自分の愛着スタイルを知ってその傾向性を理解することで、それを克服していくヒントが得られるかもしれません。

それでは4つの愛着スタイルについて見ていきましょう。

4つの愛着(アタッチメント)スタイル

愛着スタイルは主に4つに分けられます。

この項ではそれぞれの愛着スタイルがパートナーシップにに及ぼす影響について見ていきましょう。

  1. 安定型 -(自立的)
  2. 回避型 -(拒絶的)
  3. 不安型 -(依存的)
  4. 無秩序型 -(無気力的)

安定(自立)型

安定型の愛着スタイルを持つ人は「自分は守られている、自分の居場所は安全である」という感覚を持っています。

自分はパートナーに受け容れられていると感じていて、相手も自分といて同じように感じていると思っています。

たとえ感情が揺れるようなときでも、自分が見守られていたり、相手によって自分の安全は守られていると信じることができます。

誰かを頼りにすることも、頼りにされることにも心地よさを感じるので、誰かと親密な関係になることに困難をあまり感じません。

また親密な関係にあっても、互いに自立し合っていることを尊重し満足できます。

自分のどんな感情でも相手に受け容れてもらえることを信頼しています。

回避(拒絶)型

回避型(または拒絶型)の愛着スタイルの人は、自立(孤立)傾向が強く、誰かに依存したり依存されることを好みません

対人関係において、人と一定の距離を保つ傾向にあります。

親密な関係においては、相手との関係が近くなるほどに相手から逃げたくなる衝動を同時に感じることもあります。

自分の感情を抑圧しがちで、ストレスの多い状況や対立からも遠ざかろうとする傾向があります。

乳児期や幼少期に、養育者に自分の欲求や感情に気持ちを向けてもらえなかったことが重なり、いつしか泣くこと(要求すること)を諦め、自分が早く「成長する」ことを選択したケースと言われます。

不安(依存)型

不安型(または依存型)の愛着スタイルの人は、相手に対する承認欲求が強かったり、相手を失うことへの不安(見捨てられ不安)が高い傾向にあります。

相手からの同意が得られないときや意見が異なると安心することができず、相手が疲弊するまで追求することもあります。

自分が安心だと感じることが難しく、関係性に過度に依存する傾向も見られます。

相手が不在だったり、自分から心が離れることに強い不安を感じています。

養育者のケアが不安定で、気持ちを向けられるときと向けてもらえないときの差が激しかったり、もしくは一方の親だけ批判的な反応が強いなどで、自分が相手に欲求または期待して良いのかどうかなど不確かで、信頼を安定的に得ることができなかったケースと考えられます。

無秩序(無気力)型

無秩序(無気力)型の愛着スタイルの人は、誰かと親密な関係になることを求めながら、傷つけられることを恐れているため、1人でいる方が安全と感じています。

上の二つの愛着スタイル、回避型と不安型のミックスで、相手を信頼することも、相手に求めたり依存することにも困難を感じます。

優しくされた直後に養育者の態度が豹変するなど、ひどく情緒が不安定な親に育てられたり、暴力などの虐待があったことによって愛着形成が混乱し、幼少期の深刻なトラウマも大きいと思われるケースです。

以上4つの愛着スタイルについて見てきましたが、自分の愛着スタイルを診断してみたいという方は、ネットで検索するとオンラインの診断テストが色々と出てきます。

サイトによって正確性は様々(多くの質問項目が英語からの翻訳と思われるため)という印象ですが、ざっくり傾向性を知ることはできると思いますので、気になる方は試してみてください。

まずは自分の愛着スタイルを知って、恋愛で陥りがちなパターンを理解しましょう。

傾向性がわかるだけでも、無自覚に繰り返してしまうパターンを変えていくきっかけになると思います。

自分の愛着スタイルを変えていく

深刻な「愛着障害」というレベルではないとしても、特定の人と親密な関係になるとき不器用さが出たり、心が不安定になりやすいなどの場合は、自分の愛着スタイルを客観視してみることで、少しずつ行動を変えていけるかもしれません。

愛着スタイルからの行動や考え方のパターンを変えていく方法について、いくつかの対処法および根本療法について触れておきます。

まずは対処法として

・自分の恋愛における行動パターンや、相手に対して感じていることなどを振り返って、書き出してみる。

親密な関係において、自分はどんなときに苦しくなったり欲求不満を感じるのか、またそう感じる背景にはどんな感情があるのかなど、自由に書き出してみてください。

書き出すことで自分のパターンを客観視しやすくなり、そうなってしまう背景にある感情を見つめることで、自分の中にある不要な思い込みなどに気づくことができるかもしれません。

・自分が安心できる居場所を作る

自分が心地よいと感じられたりリラックスできる場所や人間関係を見つける、または好きなことをするなど、安心して過ごせる時間を持つようにしてみてください。

安心できる関係性として家族や友人が難しい場合は、本や講座、ネットで繋がれるコミュニティなどの中に居場所を見出しても構いませんし、信頼できるカウンセラーなど専門家のサポートを利用することも考えられます。

まずは自分が安全だと感じられる場で、程よい距離感での人間関係を作れるようになることで、特定の人との親密な関係で心地よい「適切な距離感」の感覚がつかめるかもしれません。

また根本療法としては

・愛着スタイルを形成したトラウマ自体を癒す

愛着スタイルが形成される過程においては、インナーチャイルド(幼少時の満たされなかった欲求や傷つく出来事)などのトラウマが影響しています。

例えば、赤ちゃんが空腹や不快を訴えて泣いている時に、養育者の適切なケアがなされないことが多かったとすると、心の中に不安や恐れ、諦めなどの強い感情を頻繁に感じることによって

’自分は重要ではいない’
’ここは安全ではない’
’自分は理解されない’

など、誤った学習がなされてしまいます。

こういった生育過程でのトラウマを、それが形成された時期によって「バーストラウマ」または「インナーチャイルド」というように呼びますが

こういったトラウマ自体を癒して、誤った学習をうまく修正することができれば、人と繋がるときのパターンである愛着スタイルを根本的に変化させていくことがしやすいでしょう。

まとめ

恋愛で同じパターンを繰り返してしまう背景には、人生初期での養育者との関係で形成された「愛着スタイル」が大きく影響するいうことを見てきました。

歪んだ愛着スタイルをベースにした恋愛で大人になってからさらに傷を深め人生が複雑になっていくという悪循環をたどるケースもあります。

恋愛が続かないという方の根本改善の鍵は、親子関係にあります。私自身の体験談になりますが、こちらの記事もよかったら参考にしてください。

「親子の共依存」は断ち切れるのか?過干渉の親と’恋愛’の不思議な関係

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