感情的で「話が通じない」人との会話術

あなたの周りに感情的な人はいますか?

感情的な人と話す時には、ついこちらもイラっとしたり、逆にドギマギするなどして、「反応的に」会話をしてしまうことになりがちです。

「反応的に」というのは、こちらも知らず知らずのうちに「冷静さを保てず、つい感情的な言葉を返してしまう」という状態です。

コミュニケーションは、本来「何かしらの情報を相手に渡すために」とっているはずのものなのに、互いに感情のボルテージが上がってしまうと、伝えるべき情報が相手に受け止めてもらえない、つまり「話が互いに通じない」という状況を作り出してしまいます。

実は、人と会話を交わす時というのは、「言葉のやりとり」と同時に「感情のエネルギーのやりとり」が見えないところでは必ずと言って良いほど起きています。

会話の中で感情のボルテージが上がり、つまり感情のエネルギーのやりとりの占める割合が一定以上大きくなってしまうと、交わしている「言葉」が、ほとんど意味を持たないということさえ起きてしまいます。

このメカニズムについては、こちらの記事もぜひ参考にしてください。

「会話がかみ合わない」人との、感情に振り回されない会話術

この記事では、相手と感情的なコミュニケーションになってしまった場合の上手な「土俵の降り方」、つまり感情的になってしまっている相手への効果的な対応法について、前記事の追記情報としてまとめてみます。

会話をするときのポジションを工夫する

会話をするときの、相手との位置関係はとても重要です。

感情的になっている人とのコミュニケーションでは、相手からの強い感情のエネルギーをまともに受けてしまうと、互いの間でそのパワーは増していきがちです。(つまり、どんどんお互いが感情的になってしまう方向に・・^^;)

そんな時には、相手の位置に対する自分の物理的な位置と距離を少し変化させるだけで、互いに冷静になる方向に向かいやすくなり、意味のある会話が成り立ちやすくなります。

相手の正面を避ける

相手の正面にいる、というのはそもそも「対立」の構造を生みやすくします。

どうしても正面に位置することになる場合には、少しでも多めに相手との距離を取れるように工夫しましょう。

距離の調整ができない椅子などに腰掛けているのであれば、相手の正面に対して少し体の向きを斜めに向けるなども良いでしょう。(あくまでも、不自然にならない程度に^^)

斜め向かいに座る

4人がけのテーブルなど自分の座る席の選択ができるようであれば、なるべく正面の席の隣、相手から斜め向かいになる場所に座りましょう。

相手の感情のエネルギーが、直接自分の領域に入ってくることを避けやすくなります。

並んで座る

もしパートナーや親子、家族など近しい間柄で、カウンター席や車の席など「並んで座る」シチュエーションが選択できるのであれば、それに越したことはありません。

感情的になりそうな話題を扱う場合は、風通しの良いエネルギーが籠りにくい場所に移動して行うなど、事前に考えてみても良いでしょう。

少し後ろに下がり気味なイメージをもつ

どうしても相手の正面が避けられない場合、また体勢も距離感も変えられないというシチュエーションであれば、イメージの中で、自分の実際の場所から少し後退したところに下がって会話をすることを心がけてみましょう。

話がヒートアップしてくると、知らず知らずのうちに(エネルギー的にも物理的にも)前のめりになって、相手との距離感は縮まってしまいがちです。

相手との距離が近すぎると、それだけで感情的な反応は起こりやすくなるものです。

あえて後ろに下がり気味なイメージを意識し続けることができれば、自分の冷静な状態を保ちやすくなります。

意図的に異なる感情を返す

こちらはちょっと上級テクニックになりますが^^;、一応紹介しておきます。

相手が向けてきている感情エネルギーに対して同じ感情エネルギーを返すのは、火に油を注ぐような図式となります。

ありがちですが、例えば怒りをぶつけている相手に怒りで応戦する、というようなものです。

かと言って、怒りに対して悲しみで返す、というのも結果はあまり変わりません。(反対の感情で返す、というのも結局は応戦していることになるので、やはり相手のボルテージを上げる結果になりやすいのです)

相手のエネルギーの勢いを削ぐためには、「全然違う、よくわからない感情で返す」という変化球テクニック?が効果的なようです。

例えばですが、「怒り」に対して「不安」のエネルギーで返すなどです。

注意することとして、「話の内容」を変えて返すというのでは「話をすり替えるな!(怒)」ということになりかねませんので、あくまでここで変化させることを意識するのは「自分の感情のエネルギー」ということを覚えておいてください。

ちょっと難しいと感じるのであれば、「ここで全然違う感情ってどんなものだろう?」と意識するだけでも、相手の土俵からは降りやすくなります。

感情的になっている相手に「追い詰められている」ように感じる時ほど、応戦するのではなく、「土俵(リング)から降りる」ことの方に意識を向けることが賢明です。

そうすると戦いに「負ける」感じがするかもしれませんが^-^;、本来のコミュニケーションの目的(=情報のやりとり)を優先するなら、「負けるが勝ち」だということを覚えておきましょう。

会話のテンポをずらす

以前の記事でも紹介していますが、こちらは割と誰でもすぐにできるテクニックかと思います。

相手が投げてきた感情的な言葉に対して、即座に応えず、あえて1テンポずらして言葉を返すようにします。(このやり方が効果的な理由については、前の記事にあります)

このずらす時間を十分に取れれば取れるほど、相手の感情のボルテージを下げることができます。

・・とはいえ、あまり沈黙が長すぎても、相手に別の「イライラ」を喚起してしまうことも起こりえますので、相手や周りの状況に応じてフレキシブルにテンポを調整する必要はあるでしょう。

ただ、そもそもこちらの応答のタイミングが掴めないほど相手が一方的に畳み掛けてくるようなケースでは、この方法を取るのも難しいかと思います。

その場合は、前の記事でも述べているように、自分の領域にイメージの上でシールドを貼って、相手のエネルギーに侵入されないよう守ることを意識し続けつつ、相手の感情のボルテージが自然と収まるのを待つ、などできることを考えましょう・・^-^;

まとめ

人とのコミュニケーションにおいて、自分の中に未解決の過去の感情や普段から我慢して押し込めている感情が多ければ多いほど、つい反応的になってしまうものです。

親子やパートナーなど、特に近い人とのコミュニケーションでは、無意識にこの「反応ボタン」を的確に押し合うため、どう頑張っても結局感情的になってしまう、ということが起きがちですよね・・^^;

そもそも自分の感情の領域が常にクリアな状態であれば、感情的になっている人に巻き込まれてしまうということ自体が、自然と減ってきます。

以下のポイントを指標に、普段から自分の中をクリアにしておくことを意識しましょう。

  • 感情は、リアルタイムで自由に感じることを心がける(よく笑いよく泣く、小さな子供が良い見本です^^)
  • 抑圧されている過去の感情に気づいたら、思い出して「感じ切る」ことを試みる
  • パターン化した感情を生み出す原因となっている、インナーチャイルド(幼少時の心の傷)などのトラウマを解消する

この記事では感情的な人に巻き込まれない会話術としてのテクニックを紹介してきました。

感情的になっている人との会話の中で自分自身の感情的な反応のパターンに気づいたら、なぜ自分がそこに反応するのかを掘り下げられれば、気づいていなかった過去の心の傷に気づいて、根本的に解消する良いきっかけともなるかもしれませんね 。

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