苦しい完璧主義をやめたいのに、やめられない・・
完璧主義でいる人は、そうであることで仕事のクオリティが上げられる、とかたく信じていたりします。
仕事で(別に仕事でなくても同じです、家事とか育児とかでもね)本当にパフォーマンスを上げたり、思うような結果を出し続けるためには、完璧主義でいることより、リラックスしていてフレキシブルでいることの方が、実際にはずっと近道のようです。
今日はそんな「完璧主義者」が、苦しさや辛さから自由になって、気楽に最善を尽くすという立ち位置に移行する方法についてお話します。
この記事の目次
完璧主義セルフチェック
「完璧主義者」ってどんな人でしょう?下の項目で自分に当てはまると感じるものは、いくつありますか・・?
- 短いメールを書くのに、なんども見直したり書き直して時間がかかる
- 満点を取れないと、たとえ98点でも「できなかった」と評価してしまう
- 成功したりうまくいっている人を見て幸せな気持ちになることがない
- 他の誰かの「成功の基準」に自分を合わせようとしていて、自分を人と比べては劣等感を感じる
- プロセスではなく、結果のみにフォーカスしがち
- 完璧だったり理想的な結果でなければ、やる価値がないと感じる
なぜ完璧主義でいるのか?
そもそもどうして完璧主義になってしまうのでしょうか?
もしあなたが完璧主義がつらいのにやめられないとしたら、それをやめたら自分にとって不都合なことが起きると、無意識に信じているからかもしれません。
自分がなぜ完璧主義をやめられないのかを知るために、次の問いへの答えをぜひ書き出してみてください。
完璧主義をやめたら、自分がどうなることを怖れていますか?
例えばこんな答えが出てくるかもしれません。
- 人から認めてもらえない、外からの評価が下がる
- 自分を好きでいられなくなる
- 仕事の結果のクオリティが下がることが許せない
- うまくできない自分には価値がない
- できない自分を見ることになって傷つく
自分を追い込んで辛くなるほどの「完璧主義」は、几帳面さなどの生まれつきの性格とは別のもので(性格が理由で自然とやってしまうことはつらいとは感じませんよね)、大人になるまで成長する過程で身につけてしまったものです。
- うまくできることで親や先生に褒められた
- 人より優れていることで、自分が自分の価値を感じることができた
- 親の期待に答えることで、自分が親から欲しいもの(注目や愛情)を手にいれていた
- 何かができなかったことで、人にバカにされた、仲間に入れてもらえなかった
- いつも兄弟や友人と比較されて評価を受けた
バーストラウマやインナーチャイルドにによる「自己否定感」が強ければ強いほど、大人になるまでのこういう経験から、「完璧でない自分は許せない」「完璧でなければ人に認めてもらえない」という間違った思い込みを潜在意識の中に持ってしまいます。
潜在意識の領域にあるものは自分でキャッチすることは難しいので、そこにどんなプログラムが走っているのか普通は気づくことはありません。(パソコンでいうOSのようなものですね^-^)
自分で問いを投げて、無理矢理にでも「書き出してみる」ことで、潜在意識にあるものを初めて外に出して「気づく」ことができるので、ぜひやってみてくださいね。
完璧主義に関する思いちがい
そもそも多くの人の「完璧主義」には多くの思い違いが含まれています。
重要な一つは、自分にとって「完璧」と、人にとっての「完璧」は同じではないということです。
あたり前のことだけど、自分にとって「完璧だ」と感じることが、ある人にとっては「完全ではない」ものだったり、逆に自分にとって「不完全」なものが、外から求められている基準からは「完璧」だったり。
つまり、絶対的な完璧というものは世界に存在し得ないし、そもそも仕事などで求められるものは、自分ルールで決める「完璧さ」ではなく、外からみた客観的な「完璧さ」の方だったりするものです。
「絶対的な完璧さ」が実は存在していないということは、それを求め続ける限りは自分の「不完全さ」にばかりに目がいって苦しいだけでなく、どこまでいっても自分を認めることはできない、終わりのないつらいレースを走り続けるようなものになるということです。
もう一つのよくある思い違いは、「完璧でなければ自分の価値がない」というもの。
「完璧性は人から尊敬され、不完全さは人から愛される」そうです^-^。
子どもなどはわかりやすくて、その不完全さが可愛らしく、愛される要素になっています。大人になっても自分のできていない部分や弱さを隠さないで生きる自然体の人は、やっぱり好感が持てませんか・・?
また、自分は愛されたいんじゃなくて認められたいんだと言って、人から尊敬されるために完璧を求めようとするなら、それは外からの評価に自分の価値を委ねることになります。
人からの評価は、常に揺らぐものでコントロールすることはできません。そこに自分を価値を求めてしまうとなると、やはりそれはしんどい生き方になってしまいます。
完璧主義ではなく、より高きをを求めて最善を尽くす自分を自分自身で褒めて認めて、一方では「不完全な自分」も同時に愛せるようになれるといいですね。
完璧主義の落とし穴
完璧主義から自由になるステップに行く前に、完璧主義の落とし穴、つまり完璧主義でいることによる「デメリット」について、見ておきましょう。
多くの人はパフォーマンスを上げるため、仕事での成果を上げるために完璧主義でいようとするのですが、最近のメンタルヘルスの研究では、「完璧主義者」であることのリスクとしてこんなものがあげられています。
- 自滅の思考に繋がりやすい
- ストレスや不安が大きい(それによって逆に目標達成ができない)
- 自分の不完全さにフォーカスされる
- 仕事を先延ばしにしやすい、締め切りに間に合わない
- 鬱や自殺へのリスクが上がる
- 問題を自分だけで抱え込みやすい
- パートナーや部下にも完璧を求め批判的になる
と、結構深刻です^^;
自分としては良かれと思ってやっているだけに、このようなデメリットに気づけないで頑張り続け、問題がなお複雑化していくということもありそうですね・・
心の問題が体に出てしまうことについては、こちらの記事にもあるので参考にしてください。
完璧主義から自由になるステップ
それでは、完璧主義から自由になっていくためにやれることをいくつか見てみましょう。
1、本当の気持ちを確認する
まずは完璧主義を本当にやめたいか?自問自答してみましょう。
ここでのポイントは「本当はやめたくない自分がどこかにいる」ことに気づくことです。
もし100%やめたいと思っているとしたら、とっくにやめているはずだからです^-^
やめたい気持ちはあるけど、やめると「自分が望まない何かが起きそう」で、実際にはやめられないというのが本当のところではないでしょうか?
「なぜ完璧主義でいるのか?」という項目のところで書き出したリストを、もう一度眺めてみてください。自分であげた理由は、普遍の真実でしょうか?
気楽な気持ちで、一つ一つの項目に「これって、本当の本当に本当?」という気持ちを向けてみてください。
そもそも自分の考える「完璧」は、求められている「完璧」とは大抵違っている、という事実もお忘れなく。
2、試しに手を抜いてみる
さて、なんとなく自分のこれまでの「完璧主義に関する思い込み」が少し緩んできたら、次のステップです。
次のステップは、あえて失敗してみる、あえて不完全な状態のアウトプットをしてみる、というものです。
これは少しだけ勇気が必要です。他の人に直接影響すると感じるものだと抵抗が出ると思うので、1人で完結しているもの、大して大きな影響がなさそうなものから、「手抜き」を試してみましょう。
80%から20%ぐらいの完成度の間の自分でできそうなところを目指して、手を抜きます。
完璧主義が強ければ強いほどこれは少々怖いことですが、私も経験がありますが、やってみると意外と「なんでもない」ことがわかります。
(具体的には、2割ぐらいの力を意識してブログの記事を書いてみたのですが・・、他の記事と比べて遜色ないアクセスがちゃんと集まり続けています 笑 完璧主義は本当に自分の中のものさしに過ぎないんだなぁ、と実感しました^-^)
3、目標を思いっきり下げてみる
完璧主義の人は目標を高く設定し過ぎる、という傾向があります。そして「完璧に到達できない自分」をいつも心の中で責めているのです。
ということで、あえて目標を下げましょう。下げるといっても少々ではなく、思いっきりです 笑。
例えばですが、今日から水を必ず2リットル飲む、という目標を立てるとしましょう。このとき理想では一日2リットルを飲めるようになりたいのですが、最初の目標としてはコップ一杯の水を毎日飲む、とするのです。
つまり、すでにもう当たり前にできるぐらいのところをあえて「目標」にします。
これをやることの意味は、「完璧主義がつらい」から「より良い状態を目指す自分を、気楽に楽しめる」感覚にシフトすることです。
目標を思いっきり下げたところから、慣れてきたら楽しめる範囲で少しずつ上げていくというプロセスをゆっくりと踏んでいきます。(楽しめる範囲で、をお忘れなく^-^)
これによって、「(自分の中の)自分の評価を下げることなく」苦しい完璧主義から少しずつ自由になっていくことができます。
4、結果ではなく、プロセスを重視して楽しむ
3の項目とリンクしていますが、「到達した結果」ではなくて「そこに到るまでのプロセス」を楽しむことに、価値を見出しましょう。
ベストを尽くしても思った結果に必ずしも到らない、人生にはそんなことの方が多いように思います。
(その方が、本人が結果的には成長できるという天の計らいなのでしょうか・・^-^;)
思った通りの結果が出せない自分にダメ出しをしそうになったら、そこに到るまでに自分がした努力をすべて思い出して、そのプロセスにこそ、より良い人生に繋がる価値があると思いましょう。
続けていくうちに、結果そのものより、プロセス自体を楽しめるようになっていきやすいと思います。
まとめ
絶対的な「完璧主義」が世の中に存在し得ないとしたら、完璧主義はしょせん自己満足です。
とは言え、ずっと完璧主義をポジティブなものとして捉えて頑張っていたとしたら、完璧主義をすぐに完全にやめるのは難しいと思います。
しょせん自己満足なんだったらそう認めた上で、もっと自由に気楽に「自分ルールの完璧主義」を楽しみましょう^-^。
「完璧にやらなければ」という思いが出て体が緊張しているのを感じたら、「気楽に自分なりのベストを尽くそう」という言葉に、心の中で切り替えてみてください。
少しだけ心がリラックスして、眉間のシワもなくなって^^、自己満足の世界を楽しめるようになれるかもしれません。